2006年 03月 01日
初めてのタイ~その4~
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山が燃えている
村人は、風をよみながら山の斜面の一角に火をつけた。炎は瞬く間に斜面をかけのぼる。反対斜面でそれを見ている我々の背中から風が流れてきた。対流をおこしているのだろうか。上空は正面からの熱風をともなった風にのり、虫たちが飛んでいった。
当時、原始的焼畑を理解していなかった私は、それを環境破壊のように受け止めていた。しかし、帰国後にであった本を引用して彼らの行為に対する誤解を解きたいと思う。
焼畑は各村に12ヶ所ほどの用地があり、毎年順番に開いていく。木は肩の高さで伐り倒し、大木なら枝分かれした部分から上だけを伐る。焼畑跡にはやがて草木が生い茂り、12年後にまた伐り開ける。一回りする間に森が再生しているのだ。
今日の森林破壊の真の原因は無軌道な農地や牧地の造成と企業による大規模な木材伐採であると思う。もし、古代からおこなわれている焼畑が原因なら、アジアやアフリカや、ラテンアメリカの森林はとっくのむかしに消えていたはずだ。
吉田敏浩著「宇宙樹の森」より抜粋
確かに、私の村でもいくつかの用地をローテーションでおこなう説明があった。また、火入れの前には防火帯を設け、延焼を防ぐと同時に斜面上部に森林を残し、降雨による土砂の流出を抑える役割を果たしていた。
燃やすという行為では、この国も決して非難できない。日本が保有するごみ焼却炉は世界でも抜きんでており、その中には多少ながらも有害物質を含んでいる。
あの時、私は他者の悪いところだけを見て、自分自身を何も見ていなかったと思う。自分があまりに無知であったことを今、少し反省している。
村人は、風をよみながら山の斜面の一角に火をつけた。炎は瞬く間に斜面をかけのぼる。反対斜面でそれを見ている我々の背中から風が流れてきた。対流をおこしているのだろうか。上空は正面からの熱風をともなった風にのり、虫たちが飛んでいった。
当時、原始的焼畑を理解していなかった私は、それを環境破壊のように受け止めていた。しかし、帰国後にであった本を引用して彼らの行為に対する誤解を解きたいと思う。
焼畑は各村に12ヶ所ほどの用地があり、毎年順番に開いていく。木は肩の高さで伐り倒し、大木なら枝分かれした部分から上だけを伐る。焼畑跡にはやがて草木が生い茂り、12年後にまた伐り開ける。一回りする間に森が再生しているのだ。
今日の森林破壊の真の原因は無軌道な農地や牧地の造成と企業による大規模な木材伐採であると思う。もし、古代からおこなわれている焼畑が原因なら、アジアやアフリカや、ラテンアメリカの森林はとっくのむかしに消えていたはずだ。
吉田敏浩著「宇宙樹の森」より抜粋
確かに、私の村でもいくつかの用地をローテーションでおこなう説明があった。また、火入れの前には防火帯を設け、延焼を防ぐと同時に斜面上部に森林を残し、降雨による土砂の流出を抑える役割を果たしていた。
燃やすという行為では、この国も決して非難できない。日本が保有するごみ焼却炉は世界でも抜きんでており、その中には多少ながらも有害物質を含んでいる。
あの時、私は他者の悪いところだけを見て、自分自身を何も見ていなかったと思う。自分があまりに無知であったことを今、少し反省している。
by asiax
| 2006-03-01 23:19
| タイ