2010年 12月 05日
焼締陶
|
中学時代の知人の窯がある千葉県に向かった。
窯出しを終えた後の登り窯を案内する彼のそばに、5歳の娘さんがちょこちょこついてくる。
窯の周りには、十分焼き締まらなかった器や、窯の中に皿を積み重ねるとき、皿同士がくっつかないよう皿の間に挟んで使用した貝殻や稲藁などが散らばっていた。
娘さんは私が興味を持って見ているのとは違う視点でそれらを見つめ、焼締まらなかった器に灰を敷き、その上に貝殻をちりばめ、
「はい、ピザの出来上がり。」
と言って父親である彼に差し出した。
その光景に、私はミャンマーのインレー湖畔で訪れた陶芸の村と重なった。
インレー湖周遊 ~陶芸の里編~ 「この土はゆっくり窯の温度を上げていかないとうまく焼き締まらないから。」
そして、2週間以上の間、登り窯の炎を絶やさず赤松の薪をくべ続けるという。もちろん独りでは無理で、近隣からものづくりの仲間たちが手伝いに来てくれるのだという。もちろん、それは彼の人柄がそうさせるのであり、また、彼は口にしないまでも、彼自身もいろいろなかたちでみんなに手をかしているのだと思う。
土を捏ね、轆轤を回して形にして、赤松の薪が炎となり、灰が器に降り注ぎ、自然釉となって器に付着し、それが模様を描き、景色をつくる。
彼のつくる器には、彼の歩んだ人生が刻まれ、そして彼を支える家族、仲間のやさしさが詰まっている。
窯出しを終えた後の登り窯を案内する彼のそばに、5歳の娘さんがちょこちょこついてくる。
窯の周りには、十分焼き締まらなかった器や、窯の中に皿を積み重ねるとき、皿同士がくっつかないよう皿の間に挟んで使用した貝殻や稲藁などが散らばっていた。
娘さんは私が興味を持って見ているのとは違う視点でそれらを見つめ、焼締まらなかった器に灰を敷き、その上に貝殻をちりばめ、
「はい、ピザの出来上がり。」
と言って父親である彼に差し出した。
その光景に、私はミャンマーのインレー湖畔で訪れた陶芸の村と重なった。
インレー湖周遊 ~陶芸の里編~
そして、2週間以上の間、登り窯の炎を絶やさず赤松の薪をくべ続けるという。もちろん独りでは無理で、近隣からものづくりの仲間たちが手伝いに来てくれるのだという。もちろん、それは彼の人柄がそうさせるのであり、また、彼は口にしないまでも、彼自身もいろいろなかたちでみんなに手をかしているのだと思う。
土を捏ね、轆轤を回して形にして、赤松の薪が炎となり、灰が器に降り注ぎ、自然釉となって器に付着し、それが模様を描き、景色をつくる。
by asiax
| 2010-12-05 16:39
| その他