2016年 12月 16日
隠し刺繍の布
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ベトナム北部に暮らすヤオ族系の民族で、赤ザオ族の刺繍パーツ。おそらく、民族衣装の背中に縫い付けた布をはぎとったもの。 ピンク色の糸で刺繍されているのは分かると思いますが、近づいてよく見てみると、地の藍の布よりも一段濃い藍の糸でも刺繍されているのが見えてきます。 なぜこのように刺繍がほどこされているのか分からないような色合いの糸を使うのか定かではありませんが、これも中国貴州省、苗族の布で、年を重ねた女性が派手な色合いを避けるため、藍で染め直した布を着るのと同じように、派手な色合いを避けつつも、刺繍の技術を失わないためにこのようにして目立たないように刺しているのではないかと想像してます。 他の布と比べると、糸の細さや模様の細かさの違いが分かるかと思います。これが、作られた時代の違いなのか、作られた場所の違いなのか、なにはともあれ、小さなはぎれ布ながら、細かな仕事が感じられる1枚です。
by asiax
| 2016-12-16 21:32
| アジアのおみやげ