2006年 12月 05日
灰色の粉
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真実をこの目で確かめたい。見たくないものに蓋をするような行為はしたくない。
でも、自分にできることは何もないし、「何しにきたんだ。」と言われればそれまでだ。
ジョグジャカルタ行きを決めてからずっとその葛藤に悩んでいた。
ジョグジャ滞在最後の日、「どこへ行きたいですか?」と尋ねる友人に、
-Bantulに行きたい。できますか?-
と言うと、友人は私が思っていた以上にあっさりと了承してくれた。ただ、カメラに注意してどうのこうのということはいわれた。私は英語をあまり聞き取ることができないので何に注意するのかよく分からなかったが、被災された方の気持ちを考え、興味本位で撮らないようなことだろうと理解した。
ジョグジャ市内をでると、倒れかけたままの建物が目に入った。会社の施設だったらしい。いつ崩壊するかもしれないのでこれ以上近づくことはできなかった。
そのあと現れる集落では至る所で崩壊したままの瓦礫が放置され、今なお修復中の家や海外の支援団体から支給されたテントで暮らす人たちがいた。
「政府からの援助がこないのです。今はまだ乾季ですが(※滞在当時は11月上旬)、これからまもなく雨季に入ります。私は彼らの生活が心配です。」
友人がそう言った。
もうあの地震から半年近くなるのに、まだテントで暮らしている人がいるというのは私も愕然とした。
崩れた壁のレンガを拾い、セメント部分を指でつまむと、それは簡単に剥がれた。指で擦るとボロボロと崩れ落ち、指にはパウダー状になった灰色の粉末が残った。
でも、自分にできることは何もないし、「何しにきたんだ。」と言われればそれまでだ。
ジョグジャカルタ行きを決めてからずっとその葛藤に悩んでいた。
ジョグジャ滞在最後の日、「どこへ行きたいですか?」と尋ねる友人に、
-Bantulに行きたい。できますか?-
と言うと、友人は私が思っていた以上にあっさりと了承してくれた。ただ、カメラに注意してどうのこうのということはいわれた。私は英語をあまり聞き取ることができないので何に注意するのかよく分からなかったが、被災された方の気持ちを考え、興味本位で撮らないようなことだろうと理解した。
「政府からの援助がこないのです。今はまだ乾季ですが(※滞在当時は11月上旬)、これからまもなく雨季に入ります。私は彼らの生活が心配です。」
友人がそう言った。
もうあの地震から半年近くなるのに、まだテントで暮らしている人がいるというのは私も愕然とした。
崩れた壁のレンガを拾い、セメント部分を指でつまむと、それは簡単に剥がれた。指で擦るとボロボロと崩れ落ち、指にはパウダー状になった灰色の粉末が残った。
by asiax
| 2006-12-05 22:19
| インドネシア(ジャワ島)