2010年 01月 12日
サパの日常風景
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サパ郊外の村の中でも特にお気に入りの場所が、サパの町からラオカイ方面に3キロメートルほど下った地点にある分岐点を左折し、タフィン方面に向かう道沿いのエリア。
この付近は町からそれほど離れてなくて、かつこの先にガイドブックで紹介されているタフィン村があるにもかかわらず、ここに暮らす黒モン人の人々は観光ずれしたところが全くないのだ。(逆にタフィンまで行ってしまうとおみやげ攻撃が待っていたり、「村を案内します」と言ってついてこられたりと、いろいろ面倒が多い。)
なだらかな棚田の広がる中に家々がポツリポツリと点在し、家の軒先に藍樽があって、績んだ麻を織って、それを染めて、更に刺繍をほどこして、そんな光景が道沿いのあちらこちらで見られる。
道の斜面でタイヤを転がして遊ぶ子供たちや、木によじ登って木の実を採る少年たち、水牛と散歩するおばあちゃん、稲の収穫に励む人々。
こんなにも素朴で魅力的な場所なのに、私がバイクをとめて写真を撮っている横を、ツーリストを載せたバンが砂煙を上げながら素通りしていく。
彼らの乗車している車内には、軒先から
「ハロー」「バイバイ」
と言って手を振る子供たちの声はきっと届いていないだろう。
私は、人々の姿も、案山子さえも見逃したりはしない。
私は、たびの中で一人でも多くの人と出会いたい。そして、ひとつでも多くのものをみつめていたい。
「ハロー」「バイバイ」
と言って手を振る子供たちの声はきっと届いていないだろう。
by asiax
| 2010-01-12 21:10
| ベトナム