2012年 09月 22日
ちまき売りの子
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両の頬に厚く塗られたタナカ、きりっとした眉、目鼻立ちのしっかりした表情。
ニャウンシュエの市場でこの子を見たとき、その一瞬からずっと気になってならなかった。
私のお気に入りの女の子、ではなくて私にとって絶好の被写体だった。
でも、見た感じ20歳前後だろうか、写真を撮らせてもらうには一番難しい年頃だ。
どちらにしても、彼女の売っているその葉に包まれた食べ物も気になってならなかった。
私は一歩ふみこんで彼女のそばに立ち止まり、彼女の作っているものを眺めていた。
私に気付いた彼女が軽く微笑むのを見て、
- ダッポンヤイメー -(写真撮ってもいい?)
と、彼女ではなく、彼女の手元を指しながら尋ねると、
どうぞ、という感じで頷いた。
蒸したもち米の上に砂糖とココナツをかけて包んでいる。
日本のおはぎみたいな、もち米のスウィーツだろう。
それより、麦藁帽子が陰になって彼女の顔がうつらない。
とにかく、写真を撮らせてもらったし、このちまきのようなものも気になるし、買ってみようと思った。
彼女が包んでいるのは大きすぎるけど、彼女の背後の籠に入っているちまきなら昼すぎのおやつ代わりにちょうどよさそうだ。
彼女はそのひとつをとって、中に入ったそれを半分に切って私にくれた。
外は餅で中にココナツが入っている。もし中に入っているのがココナツでなく、小豆餡だったら、日本のちまきや柏餅そっくりだ。
- サーロウカウンデー -(おいしいです)
というと、残りの半分も私にくれた。
- バラウレー -(いくらですか?)
と何枚かの小額紙幣を見せながら尋ねると、100チャット紙幣(約10円)を指した。
2つくださいと頼むと、
「プレゼント」
と言って、3つ袋に入れてくれた。
私はすでに、ひとつ味見でいただいてるし、300チャット渡そうとすると、彼女は顔を左右に振ってかたくなに受け取るのを拒んだ。
- チェイズーティンバーデー -(ありがとう)
本当に心からの気持ちを伝えて200チャットを渡した。
ああ、そうだ、それより彼女の写真だ。
私はしゃがんだ状態で、今度ははっきりと
- ごめん、君の写真が撮りたいんだ -
と言うと、
「えーやだー、恥ずかしいよぉ。」
と顔を左右に振った。
- ッラーデー - (きれいだよ)
と言うと
「えー、私全然きれいじゃないもーん。」
と更に大きく左右に振った。
- 顔に塗っているタナカ、素敵だよ。 -
まだ彼女は困惑して恥ずかしそうな表情を浮かべてる。
そんな私たちのやりとりを、まわりの市場の人たちが笑いながら見ていて、彼女をひやかす人もいた。
そして誰かが「撮らせてあげなさいよ」、とでも言ってくれたのだろうか。
顔を左右にふる動きが止まった。
私は日本でこんなに必死になったことがあるだろうか。
そう思うと、自分で自分がおかしくてならなかった。
ニャウンシュエの市場でこの子を見たとき、その一瞬からずっと気になってならなかった。
私のお気に入りの女の子、ではなくて私にとって絶好の被写体だった。
どちらにしても、彼女の売っているその葉に包まれた食べ物も気になってならなかった。
私は一歩ふみこんで彼女のそばに立ち止まり、彼女の作っているものを眺めていた。
私に気付いた彼女が軽く微笑むのを見て、
と、彼女ではなく、彼女の手元を指しながら尋ねると、
どうぞ、という感じで頷いた。
蒸したもち米の上に砂糖とココナツをかけて包んでいる。
日本のおはぎみたいな、もち米のスウィーツだろう。
とにかく、写真を撮らせてもらったし、このちまきのようなものも気になるし、買ってみようと思った。
彼女が包んでいるのは大きすぎるけど、彼女の背後の籠に入っているちまきなら昼すぎのおやつ代わりにちょうどよさそうだ。
外は餅で中にココナツが入っている。もし中に入っているのがココナツでなく、小豆餡だったら、日本のちまきや柏餅そっくりだ。
- サーロウカウンデー -(おいしいです)
というと、残りの半分も私にくれた。
- バラウレー -(いくらですか?)
と何枚かの小額紙幣を見せながら尋ねると、100チャット紙幣(約10円)を指した。
2つくださいと頼むと、
「プレゼント」
と言って、3つ袋に入れてくれた。
私はすでに、ひとつ味見でいただいてるし、300チャット渡そうとすると、彼女は顔を左右に振ってかたくなに受け取るのを拒んだ。
- チェイズーティンバーデー -(ありがとう)
本当に心からの気持ちを伝えて200チャットを渡した。
ああ、そうだ、それより彼女の写真だ。
私はしゃがんだ状態で、今度ははっきりと
- ごめん、君の写真が撮りたいんだ -
と言うと、
「えーやだー、恥ずかしいよぉ。」
と顔を左右に振った。
- ッラーデー - (きれいだよ)
と言うと
「えー、私全然きれいじゃないもーん。」
と更に大きく左右に振った。
- 顔に塗っているタナカ、素敵だよ。 -
まだ彼女は困惑して恥ずかしそうな表情を浮かべてる。
そんな私たちのやりとりを、まわりの市場の人たちが笑いながら見ていて、彼女をひやかす人もいた。
そして誰かが「撮らせてあげなさいよ」、とでも言ってくれたのだろうか。
顔を左右にふる動きが止まった。
私は日本でこんなに必死になったことがあるだろうか。
そう思うと、自分で自分がおかしくてならなかった。
by asiax
| 2012-09-22 17:11
| ミャンマー(ビルマ)