2006年 05月 07日
国境線
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2001年、私はバックパックを背負ってタイから陸路でミャンマーのチャイトン、ラオスのフエサイからルアンプラバン、ムアンシンへとゴールデントライアングルとよばれる国境付近をたびしていた。
地図上ではメコン川に沿って引かれているその太い線も、その場に立てば当然のことながら目に見える明確な線は存在しない。川は高いところから低いところへと流れ、虫や花粉は風の流れに任せてそれぞれの領内を行き来し、ラオス、フエサイの町では太陽はラオス領から昇り、タイ領へと沈んでいく。
「向こうに行ったらパンパンパンだ。」
ラオス、シェンコックのスピードボートの男は、すぐ目の前に見える鬱蒼とした緑に覆われたミャンマー領を見つめ、銃を持つようなゼスチャーを交えながら真顔でそう言った。
国境線は見えなくても国境が存在することを知るのは、そのスピードボートでフエサイに向かったときだった。どこまでも人の気配がない右岸のミャンマー領と、時折現れる小さな集落の人々が川で水浴びや洗濯をする左岸のラオス領をしばらく見ていると、やがて川幅が大きく広がり支流と合流すると右岸の風景だけが一変したのだ。立派な建物、観光バス、電柱、屋台に集まる人々。それがゴールデントライアングルを通過した瞬間だったのだ。
宇宙から見える地球には国境はないと、私もそれを信じたいけれど、でもやっぱり存在するのだと、地図でなくあのときの光景を思い浮かべながらそう思う。
ラオス、フエサイの町からタイ領に沈む夕日を眺める
地図上ではメコン川に沿って引かれているその太い線も、その場に立てば当然のことながら目に見える明確な線は存在しない。川は高いところから低いところへと流れ、虫や花粉は風の流れに任せてそれぞれの領内を行き来し、ラオス、フエサイの町では太陽はラオス領から昇り、タイ領へと沈んでいく。
「向こうに行ったらパンパンパンだ。」
ラオス、シェンコックのスピードボートの男は、すぐ目の前に見える鬱蒼とした緑に覆われたミャンマー領を見つめ、銃を持つようなゼスチャーを交えながら真顔でそう言った。
国境線は見えなくても国境が存在することを知るのは、そのスピードボートでフエサイに向かったときだった。どこまでも人の気配がない右岸のミャンマー領と、時折現れる小さな集落の人々が川で水浴びや洗濯をする左岸のラオス領をしばらく見ていると、やがて川幅が大きく広がり支流と合流すると右岸の風景だけが一変したのだ。立派な建物、観光バス、電柱、屋台に集まる人々。それがゴールデントライアングルを通過した瞬間だったのだ。
宇宙から見える地球には国境はないと、私もそれを信じたいけれど、でもやっぱり存在するのだと、地図でなくあのときの光景を思い浮かべながらそう思う。

by asiax
| 2006-05-07 23:15
| ラオス










