2008年 10月 26日
ラオカイ行き夜行列車
|
21時過ぎのハノイB駅に大きな荷物を背負ったベトナム人やバックパッカーたちが集まっていた。
周辺は屋台や売店、カフェが夜行列車に乗る人たちのために開いていた。そこにはかつての上野駅のような雰囲気がただよっていた。
私はブオイと呼ばれるフルーツとハノイビールを買ってエアコン付きハードベッド車両に乗り込んだ。
3段に向かい合わせにベッドが並んだコンパートメントはすでに他の乗客で埋まっていた。そのコンパートメントの中で英語を話す人たち同士で挨拶をはじめた。下段の向かいのベッドの彼はドイツからのツーリスト。私の上のベッドの彼は現地の旅行社に勤めるベトナム人。最上段の女性は銀行員だと旅行社の彼が彼女の代わりに紹介した。
ベッドに腰掛け、フルーツを食べながらビールを飲んでいる私を、ドイツ人の彼はベトナム人だと勘違いしていた。
会話はぎくしゃくしていた。ドイツ人の彼もベトナム人の彼も私よりずっと話せるのに、お互いがネイティブの英語でなく、うまく伝わらないようだった。一番分かっていない自分が
-彼はこのようなことを尋ねていますよ。-
と説明しなおすほどだった。銀行員の女性は私たちの話を明らかに理解しているようだった。それでも彼女はひと言も英語を口にせず、ベトナム語で話すのを旅行社の彼が英語で話していた。
「彼女は日本語もできるのですよ。」
旅行社の彼がそう言っても彼女は決して口にはしなかった。
「あなたはいいよね、同じアジア人だから現地の人と顔が似ているし、僕みたいに物売りにつきまとわれることもないでしょ。」
ドイツ人の彼がちょっと愚痴っぽく言った。
-そうでもないんですよ。現地の人はアジア系の人でもツーリストをちゃんと見分けているし、中には日本語で声をかけてくる人もいるのですよ。-
そんな話を最後に私たちは眠りについた。
周辺は屋台や売店、カフェが夜行列車に乗る人たちのために開いていた。そこにはかつての上野駅のような雰囲気がただよっていた。
私はブオイと呼ばれるフルーツとハノイビールを買ってエアコン付きハードベッド車両に乗り込んだ。
3段に向かい合わせにベッドが並んだコンパートメントはすでに他の乗客で埋まっていた。そのコンパートメントの中で英語を話す人たち同士で挨拶をはじめた。下段の向かいのベッドの彼はドイツからのツーリスト。私の上のベッドの彼は現地の旅行社に勤めるベトナム人。最上段の女性は銀行員だと旅行社の彼が彼女の代わりに紹介した。
ベッドに腰掛け、フルーツを食べながらビールを飲んでいる私を、ドイツ人の彼はベトナム人だと勘違いしていた。
会話はぎくしゃくしていた。ドイツ人の彼もベトナム人の彼も私よりずっと話せるのに、お互いがネイティブの英語でなく、うまく伝わらないようだった。一番分かっていない自分が
-彼はこのようなことを尋ねていますよ。-
と説明しなおすほどだった。銀行員の女性は私たちの話を明らかに理解しているようだった。それでも彼女はひと言も英語を口にせず、ベトナム語で話すのを旅行社の彼が英語で話していた。
「彼女は日本語もできるのですよ。」
旅行社の彼がそう言っても彼女は決して口にはしなかった。
「あなたはいいよね、同じアジア人だから現地の人と顔が似ているし、僕みたいに物売りにつきまとわれることもないでしょ。」
ドイツ人の彼がちょっと愚痴っぽく言った。
-そうでもないんですよ。現地の人はアジア系の人でもツーリストをちゃんと見分けているし、中には日本語で声をかけてくる人もいるのですよ。-
そんな話を最後に私たちは眠りについた。
by asiax
| 2008-10-26 17:43
| ベトナム