2008年 11月 16日
籠を担ぐ
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その人と最初にすれ違ったのは吊橋のあたりだった。今になって画像で確かめると、おそらく滝の横にある山道を降りてきたのだろう。川を渡ったその人は私がバイクをおろしてもらった車道の所まで再びのぼっていかなければならない。
しばらくしてその道を引き返す私は、籠を下ろして一休みしているその人に軽く会釈をして追い越していった。
振り返ると、先ほど見上げていた滝は見下ろすところまでのぼっていた。その景色を写真におさめていると、重い荷を持ってのぼってくるその人が私に追いついてきた。
今までたびしたアジアの国々で、どれだけたくさんの人たちに助けられただろう。それに対して自分はどれだけ現地の人のためになれただろう。
気づいたら、私はその籠を背に山道をのぼっていた。肩にずっしりとのしかかるその籠に歩きはじめて早々に締めつけられるような痛みが走る。しかし私よりずっと小柄な、しかも女性がこの籠を担いきたのだ、弱音は吐けない。
やがて体への負担は肩だけでなく下半身の膝にまで達してきた。この先私は8キロ先のサパの町まで歩いて帰るつもりでいた。ここで無理をして運び続ければ、それは厳しくなるだろう。結局、車の通る道までたどりつく手前の中途半端な場所でその荷物を降ろした。すると、その荷物の圧迫感で汗腺や呼吸器系までもが締めつけられていたのだろうか。一気に呼吸が乱れ、体から汗がどっと流れはじめた。
ここまで運んでくれてありがとうね、というような表情を浮かべるその人に対し、自分のふがいなさを恥じた。
やがてその人は、収穫前の棚田の稲穂の中に隠れるように去っていった。
今までたびしたアジアの国々で、どれだけたくさんの人たちに助けられただろう。それに対して自分はどれだけ現地の人のためになれただろう。
やがて体への負担は肩だけでなく下半身の膝にまで達してきた。この先私は8キロ先のサパの町まで歩いて帰るつもりでいた。ここで無理をして運び続ければ、それは厳しくなるだろう。結局、車の通る道までたどりつく手前の中途半端な場所でその荷物を降ろした。すると、その荷物の圧迫感で汗腺や呼吸器系までもが締めつけられていたのだろうか。一気に呼吸が乱れ、体から汗がどっと流れはじめた。
ここまで運んでくれてありがとうね、というような表情を浮かべるその人に対し、自分のふがいなさを恥じた。
by asiax
| 2008-11-16 22:19
| ベトナム